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FSR通信 vol.80 パワハラ防止へ指針案 令和2年6月施行に向け/電車内などでの通勤災害について/「代休の買上げ手当」について

目次

ニュース&トピックス
・パワハラ防止へ指針案 令和2年6月施行に向け

気になる労務相談
□電車内などでの通勤災害について
□「代休の買上げ手当」について

ニュース&トピックス

パワハラ防止へ指針案 令和2年6月施行に向け

改正労働施策総合推進法により、事業主にパワハラ防止の措置義務が課されるが、
施行予定日が令和2年6月1日となった。中小事業主は、令和4年3月31日まで
努力義務となる。

改正法の施行に向け、厚生労働省は「事業主が講ずべき措置等に関する指針案」を
作成しパワハラを①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲
を超えたもの、③労働者の就業環境が害されるもの――の3要素を満たすケースと
した。

就業環境が害されるとは、「平均的な労働者の感じ方」を基準とする。具体的な例
として「他者の面前での威圧的な叱責」「能力を否定し罵倒するような電子メール
の送信」等を示す一方で、「懲戒処分を受けた労働者に個室研修を受講させる」等
は該当しないとしている。

併せて、取引先の労働者や顧客などからの著しい迷惑行為についても、雇用管理上
の取組を求めている。

<気になる労務相談>

□電車内などでの通勤災害について

Q:電車内や駅構内で「見知らぬ他人」とトラブルになり、ケガを負ったというニュース
を見聞きします。ケンカのようなケースでも通勤災害の請求ができるのでしょうか?

A:通勤途上、労働者が負傷、疾病、障害または死亡したときは、労災保険給付が支給さ
れます。負傷や疾病が、通勤と相当因果関係があること、つまり通勤に通常伴う危険が
具体化したと認められることが必要です(平18・3・31基発0331042号)。

通勤途上における他人の故意に基づく暴行は、「私的怨恨に基づくもの、自招行為に
よるものを除き、通勤によるものと推定する」(平21・7・23基発0723第12号)と
しています。

通勤中に飲料水の自販機の順番待ちを巡りトラブルになり、相手に殴られ頭部外傷など
の傷病を負った事案について、労基署は通災とは認めず不支給処分としたものの、審査
請求により「暴力を誘因する過失」は認められなかったとして、原処分を取り消した例
があります。

□「代休の買上げ手当」について

Q:当社には「代休の買上げ手当」というものがありますが、そもそも代休の買上げは
法的に認められるのでしょうか?

A:代休とは、「休日労働の代償として、その後の特定の日の労働を免除する」仕組みを
指します(昭23・4・19基収1397号)。「代償として」という文言が入っているので、
代休予定日に再度出勤を求めた場合、「買上げ」などの対応が必要かという疑問が生じ
ます。しかし、休日に出勤させた分については、都度、割増賃金を支払うのが基本です。
後日、代休を与えたとしても、「現に行われた休日労働」が帳消しになるわけではあり
ません。

代休を与えた効果としては、割増を除く100%部分を控除できるというにとどまります。

一方、法定休日労働についてですが、適正に割増賃金を支払えば「代休を与える法的な
義務はない」とされています(昭23・4・9基収1004号)。代休を取れなくても、追加
で休日を確保する必要はありません。

ですから、適切に割増賃金等を処理していれば、法律的には必要十分です。さらなる
「代償」措置は要しません。そこで、貴社の就業則中にある「買上げ手当」ですが、金
額・支払い時期等はどのように定められているのでしょうか。

代休は、できるだけ早い時期に付与するのがベターです。会社所定の期間内に付与がで
きなかった場合、「法を上回る措置」として一定額を支払うのであれば、もちろん、問
題ありません。たとえば、管理監督者に「休日に関する規定」は適用されませんが、休
日出勤があった際、休日出勤手当などを支給する会社なども存在します。それと、同様
の考え方です。

一方、中小・零細企業では、予定日に代休が取れなくても、賃金清算を放置するケース
も散見されます。相当期間経過後、遅ればせに割増賃金などを支払う処理を「買上げ」
と称する担当者もいますが、これは労基法の毎月・全額払(24条)に反する対応となり
ます。

 

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