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FSR通信 vol.83 新型コロナウイルス関連Q&A

目次

新型コロナウイルス関連Q&A
・風邪類似の症状の場合
・新卒者の入社時期変更について
・特別休暇の取り扱い

新型コロナウイルス関連Q&A

風邪類似の症状の場合

Q:新型コロナウイルスですが、風邪類似の症状が出ても、なかなか医者に行きたがら
 ない従業員もいます。最終的に風邪等と診断された場合、病院に行くまでの期間は
 どのように取り扱われるのでしょうか。

A:労務不能なら傷病手当金 初診日前でも対象に

傷病手当金を受ける要件は、次の3つとされています(健保法99条)。
①療養のため休業すること
②労務不能であること
③3日の待期期間があること

「①療養のため」には、自費診療で受けた療養とか自宅で病気の静養をしている場
合等も含むと解されています。ですから、問題は「②労務不能であること」に該当
するか否かです。

新型コロナウイルスにより休業した場合の傷病手当金の取扱いについて、厚労省は
Q&Aを公表しています。労務不能の判断に関しては、まず、一般論として次のよ
うに述べています。

「従前より、医師が診察の結果、被保険者の既往の状態を推測して初診日前に労務
不能の状態であったと認め、意見書に記載した場合には、初診日前の期間について
も労務不能期間となり得る」

通常の病気であっても、病院の休診日に発症し、翌日以降に受診するケースは珍し
くありません。そうした場合でも、医師が傷病手当金の申請書に労務不能と記載す
れば、その初日が待期期間の起点となります。協会けんぽの記入の手引きでも、「
治療期間でなく、療養のため就労できなかったと認められる期間とその日数をご記
入ください」とあります。

新型コロナウイルスによる感染が疑われるケースも、考え方は同様です。厚労省Q
&Aでは、「自宅療養を行っていた方が、4日目に医療機関に受診し、別の疾患に
り患しているために労務不能と判断された場合」にも、傷病手当金の対象になると
述べています。従業員の方には、早めに受診し、医師の判断を受けるようアドバイ
スしてあげてください。

新卒者の入社時期変更について

Q:新型コロナウイルスの影響で、業務量が減少傾向です。4月に入る新卒者の入社
 日を1、2カ月程度ずらせないか検討中ですが、どういった手続きが必要ですか。

A:ハローワークへ通知が必要

入社前における採用の内定は、いわゆる始期付きの労働契約が成立した状態と解さ
れています(最二小判昭54・7・20)。内定が成立すれば、会社が一方的に入社日
を変えることはできず、内定者の同意を要することになるでしょう。

労働者の募集採用には職安法が関係しますが、新規学卒者にはさらに配慮が求めら
れます。実際に労働契約を締結する前に当初明示した労働条件を変える場合は、変
更内容を明示すれば足ります(法5条の3第3項)。

一方、学卒見込者等に対し、当初明示した条件を変更・削除し、または従事すべき
業務の内容等を追加することは不適切としています(平11・11・17厚労省告示141
号)。

なお、若者雇用促進法の指針(平27・9・30厚労省告示406号)では、入職時期の
繰下げを行う場合に関して、対象者からの補償等の要求には誠意を持って対応する
こととあります。

入社した形にして自宅待機等を命じるかはともかく、職安則35条2項に基づき、
ハローワーク等に通知が必要です。

特別休暇の取り扱い

Q:新型コロナウイルス関連で3月に取得上限のない特別休暇を設けました。当社では、
 子の看護休暇は有給です。ちょうど年度末ですが、これを使い切ることを条件に特
 別休暇の取得を認めることは問題でしょうか。

A:例えば、労基法の年次有給休暇は、原則として、「労働者の請求する時季」に与え
なければなりません。育介法の子の看護休暇も、「労働者が申し出ることにより」取
得することができる(法16条の3)という仕組みです。

子の看護休暇は年度ごとに付与され、別段の定めがなければ4月が基準です(法16
条の2第4項)。特別休暇の仕組みは各社各様でも、こうした法で認められている
休暇等のフル消化を条件とすることは望ましいとはいえません。

助成金 (小学校休業等対応) に関する厚労省のQ&Aでは、「本助成金を活用して、
年次有給休暇とは別途、有給の休暇制度を設けていただき、年休の有無にかかわら
ず利用できるようにすることで、保護者が希望に応じて休暇を取得できる環境を整
えていただけるようお願いします」とあります。

なお、法定の「子の看護休暇」を有給で取得させた場合、同助成金の対象になると
しています。

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