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FSR通信vol.91 2021.6改正健康保険法案成立/コロナワクチン接種について

目次

ニュース&トピックス
・2021.6改正健康保険法案成立

気になる労務相談
コロナワクチン接種について

 

ニュース&トピックス

 

2021.6改正健康保険法案成立

■傷病手当金の通算や育児休業中の社会保険料免除が変更

「出生時育児休業」の新設に伴い、「短期育児休業中の保険料免除要件の見直し」を盛り
込んだ改正健康保険法が成立した。今回は、「傷病手当金の支給期間通算化」「任意継続
被保険者制度の見直し」といった実務的な改正項目が含まれており、①については2022
年10月1日、②③については2022.1月1日施行予定となっている。

①短期間の育児休業にかかる社会保険料の免除要件の見直し
現行の育児休業開始月から育児休業終了日の翌日の属する月の前月までを免除とすること
に加え、育児休業開始日の属する月と、休業終了日の翌日の属する月が同一であり、かつ
当該月における育児休業等の日数として厚生労働省令で定めるところによって計算した日
数が14日以上である場合にも保険料免除の対象となる。また、賞与に係る保険料について
は「1ヵ月を超える育児休業を取得している場合に限り、免除の対象とする」とされた。

②傷病手当金の支給期間通算化
現在では、「支給開始した日から最長1年6ヵ月」であり、この1年6ヵ月には復職期間
も含まれていたが、この点が改正され、2022年1月1日以降は、「支給期間を通算して、
1年6ヵ月を経過した時点まで支給される」ことになり、復職に伴い不支給となった期間
がある場合には、その分の期間を延長して受給できることになり、長く治療との両立が可
能となる。

③任意継続被保険者制度の見直し
任意継続被保険者制度は、健康保険の被保険者が、退職後も、引き続き最大2年間、退職
前に加入していた健康保険の被保険者になることを選択できる制度で、解雇や退職に伴う
無保険状態を回避できる他、会社に勤務していたときと同じ健康保険給付を受けることが
できる等のメリットがある一方で、「原則2年間は資格喪失ができない」「原則2年間保
険料が変わらない」という点があったが、今回の法改正によって資格喪失事由に、「任意
継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険
者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき」、
が加わり被保険者からの申請による資格喪失が可能となった。

また、健康保険組合における保険料の算定基礎に例外が認められ(協会けんぽは対象外)、
現状の①被保険者の資格喪失時の標準報酬月額または②保険者の全被保険者の平均の標準
報酬月額のいずれか低い方に保険料率を乗じた額から、健保険組合では規約により、①が
②を超える任意継続被保険者について①(高い方)をその者の標準報酬月額とすることが
できるようになった。

 

気になる労務相談

コロナワクチン接種について

Q1:社員よりコロナワクチン接種につき、就業時間内に接種を受けに行きたい旨申し出
 がありました。勤務時間中の中抜けは認めていませんが、例外的に対応した方がよいの
 でしょうか。また対応する場合は何か取り決めをした方がよいでしょうか。

A:職場における感染防止対策の観点からも、労働者の方が安心して新型コロナワクチン
の接種を受けられるよう、ワクチンの接種や、接種後に労働者が体調を崩した場合など
に活用できる休暇制度等を設けていただくなどの対応は望ましい、と厚生労働省の
「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」で公表されています。以下回答の
抜粋ですが、申出者の他は、あくまで労働者が任意に利用できるもの、と条件が付され
ているので注意が必要です。

①ワクチン接種や、接種後に副反応が発生した場合の療養などの場面に活用できる休暇
制度を新設することや、既存の病気休暇や失効年休積立制度(失効した年次有給休暇を
積み立てて、病気で療養する場合等に使えるようにする制度)等をこれらの場面にも活
用できるよう見直すこと、②特段のペナルティなく労働者の中抜け(ワクチン接種の時
間につき、労務から離れることを認め、その分終業時刻の繰り下げを行うことなど)や
出勤みなし(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認めた上で、その時間
は通常どおり労働したものとして取り扱うこと)を認めることなどは、労働者が任意に
利用できるものである限り、ワクチン接種を受けやすい環境の整備に適うものであり、
一般的には、労働者にとって不利益なものではなく、合理的であると考えられることか
ら、就業規則の変更を伴う場合であっても、変更後の就業規則を周知することで効力が
発生するものと考えられます。こうした対応に当たっては、新型コロナワクチンの接種
を希望する労働者にとって活用しやすいものになるよう、労働者の希望や意向も踏まえ
てご検討いただくことが重要です。

Q2:社員より新型コロナウイルスに感染したのは業務中である旨の申告がありました。
 この場合、労災保険給付の対象となるのでしょうか。

A:業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象とな
ります。感染経路が判明しない場合であっても、感染リスクが高いと考えられる次のよ
うな業務に従事していた場合は、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、
個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。

(例1)複数の感染者が確認された労働環境下での業務
(例2)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

また、他の業務でも、感染リスクが高いと考えられる労働環境下の業務に従事していた
場合には、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性
(業務起因性)を判断することとなります。

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